水と油はどうして混ざらないの? 表面張力や分子間引力や静電的な作用の影響?

水と油はどうして混ざらないのか、どのように考えたらいいのでしょうか。興味がありますよね。

水と油をコップに入れてどんなにかき回しても、時間がたつと油が上で、水が下というように分離してしまいます

サラダドレッシングの材料である酢と油も分離してしまいます。このように水と油は混ざりません。
水も油も、それぞれ分子という非常に小さな粒がたくさん集まったものです。水は水の分子同志がお互いに引き合って集まっています。また、油も油の分子同志がお互いに引き合って集まっています。この分子同志が引き合う力を表面張力といい、表面張力が同じような大きさの液体の場合は、混ざりやすいという性質があります。しかし、水と油の場合、水の表面張力は油の表面張力よりもかなり大きくて差があるため、水と油は混ざり合わないのです。
また、難しい話になりますが、水の分子がもつ化学的な性質によって、水の表面張力は大きくなっています。
水と油ではこのような性質の違いがあるため、水と油をいっしょに入れてただかき回すだけでは、決して混ざり合わないのです。なお、油が上で水が下になって分離するのは、油の密度が水の密度よりも小さい、つまり、油が水よりも軽いためです

なお、洗剤などに含まれる界面活性剤という物質を使うと、水と油を混ぜ合わせることができます。

水と油が混ざらないのはなぜ

水分子と油の分子は、それぞれが同じ分子同志で引き合う力によって集まっているので、混ざらないのです。

通常、(同種であれ異種であれ)それぞれの分子の間には「分子間引力(ファンデルワールス力)」という力が働いており、少しでも表面積が少なくなるように集まろうとする性質を持っています。
ところが、水分子の場合、分子内の電気的なバランスが偏っているため、同じような偏りを持ったものどうしで特に強く集まろうとするのです(この結合を通常の分子間引力と区別して、「水素結合」と呼ぶ場合もあります)。

水分子どうしが強く集まろうとするため、残された油の分子同志もまた強く結びつき、その結果、同じ分子どうしがしっかりとスクラムを組んで、水分子と油の分子は互いに引きあうようになります。だから、水と油は混ざらないのです。

水と油はどのようにすれば混ざり合うか

潤滑油の中には水と油が混ざり合ったものがあります。油の中に水が溶け込んでいるものもありますし、水溶性金属加工油剤のように油を水に乳化して使用するものもあります。水と油は通常では混ざりませんので、混ぜるためには何らかの手段が必要になります。

【スポンサーリンク】

水と油はなぜ混ざらないのか

水分子の構造は、分子全体では電気的に中性ですが、酸素原子と水素原子の共有結合は酸素原子側に電子雲が偏っており、水素原子はややプラス、酸素原子はややマイナスに帯電して分子内に極性があります(アンモニアNH3のN-Hも同様な極性があります)。
水がものを溶かすときには、水分子の極性にもとづく静電的な作用が大きな働きをします。水によく溶けるものは無機塩のように水中で電荷のあるイオンになるものとか、有機物であればOHやNHのような極性のある部分(極性基)が分子に多く含まれるもの──例えば砂糖など──です。
有機物で分子内に極性がないものは静電的作用が働かないので水には溶けません。油が水に溶けないのはこのためです(油の分子の大半をしめるC-H結合は極性がありません)。水に油を加えると水は水同士、油は油同士に分かれてしまいます。

水と油を混ぜる方法

水に油を溶かすことは、分子の構造から考えて不可能です。水に油を加えただけでは、強力にかき混ぜてもすぐに水層と油層に分離してしまいます。
しかし、界面活性剤を用いることによって細かい油滴(微粒子)を水中に安定に混ぜる(分散させる)ことが可能になります。同様にして油に水の微粒子を分散させることも可能です。これを乳化といいます。
界面活性剤の分子は水と親和性がある極性基(親水基)と、油と親和性がある親油基の両方があります。
水中に油が乳化している状態は、油の微粒子の表面を──界面活性剤が親油基と油の微粒子が接触する形で──覆っている状態を想像してもらうとわかりやすいです。
このとき、油の微粒子の表面には界面活性剤の親水基で覆われていますので微粒子全体では水に溶けます。
また微粒子同士では反発する力が働いており、微粒子が集まることはありません。

このように界面活性剤を仲立ちにすることで、油滴を水中に、あるいは水滴を油中に分散させるかたちで水と油を混ぜることができます。
水と油はなぜ混ざらないのか判りましたか。混ざる方法もありますね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です