冷蔵庫はなぜ物を冷やすことができるの? 蒸発熱を利用するの?

冷蔵庫はものを冷やしたり、氷をつくるものですね。でもどうやって冷やすことができるのでしょうか。不思議ですね。今回はこのなぜを丁寧に解説したいと思います。

冷蔵庫の役割

冷蔵庫の話をするまえに、まず注射をされるときのことを思い出してください。
注射をするとき、医者や看護婦さんは、わたしたちの肌をアルコールでふいて消毒をします。そのとき、すうっと肌がつめたく感じるはずです。これは、アルコールが蒸発するときに、肌から熱をうばうからなのです。
冷蔵庫がひえるのは、このような性質を利用しています。ただしこれまでの冷蔵庫は、アルコールではなくフロンガスを使ってきました。今、地球のオゾン層をこわすとして大きな環境問題になっている、あのフロンガスです。
フロンというのはとても便利なもので、液体から気体にすぐに変化し、また気体から液体にもかんたんに変化することができます。
このフロンが、冷蔵庫の中と外のパイプの中を回っています。冷蔵庫の中のひやさなければならないところでは、液体のフロンを蒸発させて熱をうばい、また、蒸発した気体のフロンが冷蔵庫の外にきたときには、今度はこれを液体にかえてるのです。そうすると、冷蔵庫の中からうばわれた熱が、パイプのまわりの空気ににげていきます。このようにして、フロンが冷蔵庫の中の熱を冷蔵庫の外に運び出しているのです。こうして冷蔵庫の中の空気はひやされています。
肌をふくとき蒸発したアルコールを、またつかまえて液体にして、それでまた肌をふく・・・・というようなことを、冷蔵庫はパイプの中で自動的にくりかえし行っていると考えればいいのです。

冷蔵庫の機能

冷蔵庫は主に食品を長期保存するため「凍結しない程度」の低温空間を作り出し、生鮮食品の低温保存が必要な物品を収容する電化製品のひとつです。対して、庫内温度を0℃以下として、冷凍することで保存するものは、冷凍庫として区分されています。
日本の温度環境は、夏季で35℃前後、冬季で氷点下となることもある寒暖差の激しい気候です。夏季に肉類や野菜類、乳製品の生鮮食品を常温で保存するのは不可能ですが、冷蔵庫や冷凍庫に保存すれば、長期間に渡り鮮度が保持されます。

冷蔵庫の構造と仕組み

冷蔵庫はエアコンに非常に似通った構造となっており、主要機器は「圧縮機」「凝縮器」「膨張弁」「蒸発器」の4つです。これらを用いて冷気を作り出し、庫内に放出するという仕組みで冷却が行われています。
エアコンの冷房部分を冷蔵庫内に作り出し、暖気部分を庫外に放出するのは、エアコンの室内機が冷気を放出し、室外機が暖気を放出するのと似ています。温度差を作り出し、冷却側を有効利用しているのが冷蔵庫や冷凍庫の仕組みです。
エアコンとの違いは、熱を利用する必要が無い為、発生する熱は全て不要という点にあります。

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冷蔵庫の冷却サイクル

冷蔵庫の冷却サイクルは、エアコンとほぼ同じで、電気エネルギーで駆動する「圧縮機(コンプレッサー)」で、冷蔵庫内に収容された気体冷媒を圧縮します。圧縮により高温高圧となった冷媒ガスは「凝縮器」を通ることで液化します。
液化した冷媒は「膨張弁」を抜け、圧力が急激に低下し沸点が下がる。沸点の低下した液体冷媒を「蒸発器」に通し、冷媒を気化します。この「液体が気体に変化」する瞬間、気化により大きく熱を奪う特性があります。この「蒸発器」の部分を冷蔵庫内に配置することで、冷蔵庫内を冷却し、低温空間を維持できます。
蒸発器を通過した気化冷媒は、再度「圧縮機(コンプレッサー)」に通され、冷却サイクルが継続します。この一連の流れを電気エネルギーで行うのが、通常販売されている冷蔵庫や冷凍庫の仕組みであり、エアコンと大きく違いはありません。
冷蔵庫の冷却サイクルにある「圧縮」の工程で、コンプレッサーから熱が放出されます。これが冷蔵庫内部に侵入しないよう背面から放出させているのであるが、適切な放熱スペースがなければ熱が逃げず、冷却サイクルの効率が悪化します。
酷暑時にエアコンの冷房能力が低下するように、冷蔵庫や冷凍庫の排熱が不良となれば、冷却効率が低下します。さらに、換気や放熱によって熱を取り除かなければ、冷蔵庫背面の温度が50~60℃と極めて高温になってしまい、故障や発火・発煙の事故につながるので、設置場所にも注意が必要です。

吸収式冷蔵庫の仕組み

吸収式の冷蔵庫は圧縮式の冷蔵庫と違い、冷媒となる「アンモニア」と吸収液となる「水」が、同じく密閉された別系統の配管に充填されています。主要機器は「吸収器」「再生器」「分離器」「凝縮器」「蒸発器」の5つです。
吸収器によってアンモニアガスと水が混合し「アンモニア水溶液」を作り出します。アンモニア水溶液は、電気エネルギーまたはガスエネルギーによるヒーターを内蔵した「再生器」で加熱されます。
加熱によりアンモニア水溶液は水より先にガス化し「分離器」によって「水」とアンモニアガスに分離します。水は吸収器に戻り、アンモニアガスは「凝縮器」に進みます。
「凝縮器」に到達したアンモニアガスは液化し、液化したアンモニアは「蒸発器」を抜けて蒸発し気化します。圧縮式冷蔵庫と同様、蒸発器の部分では気化熱の特性により、気化の瞬間に大きく熱を奪うため、この部分が冷蔵庫内に配置されます。
蒸発器を通過したアンモニアは吸収器に戻り、再度水と混合してアンモニア水溶液になり、以降継続的に冷却サイクルが繰り返されます。
吸収式冷蔵庫はコンプレッサーを持っておらず、圧縮式冷蔵庫と比べて非常に静音という利点により、ホテルの寝室や病院など静音を求める用途に適しています。一般家庭用としてはあまり普及しておらず、ほとんどが圧縮式冷蔵庫となります。

ペルチェ式冷蔵庫の仕組み

直流電流を流すことで片面が吸熱し、もう片面が発熱とするという「ペルチェ素子」を活用した冷蔵庫です。冷媒やコンプレッサー、吸収器といった機器を使用しないため、騒音や振動が発生しない小型冷蔵庫を製作できるという特徴があります。
ペルチェ式冷蔵庫は、吸収式冷蔵庫と同様、ホテルや病院など静音性を求める場所に適した冷蔵庫です。小型冷蔵庫のほか、冷却機能の付いたワインセラーにも活用されています。
欠点として、ペルチェ素子はエネルギー効率が悪いため消費電力が大きくなり、かつ庫内温度を低下させるための排熱が大きいという特性があります。放熱を十分に行わないとペルチェ素子が破損してしまうおそれがあり、大容量の冷蔵庫を製作するのは排熱ファンが過大になるため合理的ではありません。

冷却サイクルとかペルチェ式とか少し難しい言葉がでてきましたね。でもご安心ください。中学や高校でちゃんと習いますからね。

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