ボールはどうして弾むの?ゴムの弾性力と復元力

みなさん、ボールはどうして弾むのでしょうか。判りやすく解説します。

●ゴムのボールはよく弾みます。しかし、ゴムボールでも空気が抜けてしまったものや、穴があいたものなどはあまり弾みません。これはどうしてでしょう。
それでは例をあげて考えてみましょう。まず、ガラスでできた電球を落とすと、ガシャンとわれてしまい、少しも弾みません。では、鉄でできたバネならどうでしょう。バネなら少し弾むでしょう。
これは、バネに力を加えると、元に戻ってくるからです。この、形が元にもどる性質のことを、弾性といっていますが、ゴムやバネは、この性質がとても強く、ガラスは弱いのです。そのために、ガラスは元に戻ることなく割れて、壊れてしまうというわけです。
空気の入ったボールは、表面のゴムの弾性が強いだけでなく、中の空気の方もボールが何かに当たってへこんだときに、元に戻ろうとする力を働かせているのです。つまり、ボールは、ゴムの弾性という性質と、空気が元に戻ろうとする力のふたつの理由から、よく弾むというわけです

●なぜボールは弾むのですか? 弾まないボールと弾むボールの違いは何ですか? どうしたらボールは弾むのですか?
ボールが弾むか弾まないかの違いを直接説明する原理は化学とは少し分野が違うのですが、このことについて、材料の観点から説明することにします。
ボールが何かにあたって弾む(「反発する」)のは、ものにボールが当たると変形し、それが元に戻ろうとする力(弾力)を材料が持つ(弾性)ためです。ものの形が復元するとき、ボールの進む方向が逆の方向にエネルギーが加わるため、ボールは跳ね返ります。

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さて、その元に戻ろうとする力はどこからくるのでしょうか。物質は、どんどん細かくみていくと最後には原子がならんでいる状態になります。この原子はお互いにいろいろな力で引きつけ合って、最も安定な状態(原子と原子の間の距離)に保ちながら並んでいます。この最も安定に並んでいる状態に力が加わると、ちょうど押しくらまんじゅうで人を押し潰したように原子同士が近づきます。ところがこの状態は安定ではありません。そのため、元に戻ろうとして、弾力が働くわけです。ところが、物質によっては、押し潰してしまうと原子同士が近づくだけでなく、簡単に並び方を変えてしまうものがあります。たとえば純金はハンマーでたたくと簡単につぶれてしまい、最後にはごくわずかな厚みをもった金箔にまでになります。金でボールを作るわけにはいきませんが、もしこういった性質を持ったものでボールを作ってもほとんど弾まないことになります。水を含んだ粘土も同じように簡単に変形する性質をもっています。こういった性質のことを「塑性」と言います。


よく弾むボールは弾性が大きく、弾まないボールは弾性が小さい、あるいは塑性が主にはたらく物質から出来ていることが多いです。弾性の大きな物質の代表はゴムですが、ゴムだけからできているスーパーボールは大変よく弾むことがわかると思います。なお、普通スポーツで使うボールの多くは、ゴムの中に空気を入れて使用することが多いです。空気は気体ですから、圧力に対して極めて大きく変形します。そのため、周りのゴムの変形が中の空気を大きく圧縮して変形させるため、中の圧力が上がります。その圧力が元に戻ろうとして、ゴムを元の形に戻そうとして反発します。このため、ボールは大きく弾みます。ですから、空気の抜けたボールは、反発力があまり働かず、あまり弾まないことになるわけです。
なお、物質は「弾性」と「塑性」の両方を持っています。この2つの性質は変形させようとする速度によっても変わってきます。たとえば、水面に石を垂直におとすと、殆どの場合石は水の中に入って沈みます。ところが、水面すれすれの角度で石を横から投げると、うまくコントロールすれば、石は水面で弾かれていきます。これは、水面が持っているわずかな弾性を利用しているため、石を速く投げると水面で石が反発をうけるためにおこります。ふつう変形が速いほど、弾性は大きくなります

テニスボールなどがよく弾むことは、みなさんも経験されていると思います。この現象を今回は物理の観点から解説しました。

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