お湯が沸くとどうして泡がでるの?沸騰って何?

みなさん、お湯を沸かすと中から泡が出てきますね。これは何でしょうか。判りやすく解説します。

水は、温度を上げたり、下げたりすることで形や性質がちがってきます。たとえば、温度を下げるとかたいになり、逆に温度を上げると、水蒸気となって空気中に消えていってしまいます。
水は、水素と酸素の結びついた小さな粒が、たくさんつながってできたものです。ところが、水をだんだん熱くしていくと、水のこのつながりがところどころで切れてしまいます。液体だった水が、空気のような水蒸気に変化するのは、このためなのです。
そして、この水をさらに熱くして、温度を100度まで上げると、お湯の中でも、この水蒸気ができてくるのです。つまり、お湯の中で、液体だった水が、いきなり空気のような水蒸気に変化します。これがお湯の中から出てくるあわなのです。あの泡の正体は水蒸気だったのです。

●水蒸気と湯気
水蒸気は無色の気体であり、目には見えない。雲は液体である水滴と水蒸気を含む空気の気体との混相だが、水滴により可視化される。その他、霧、靄、湯気など白く見えるものは、水蒸気を含む空気と水滴のうちの水滴である。
なお、湯気(ゆげ)は水蒸気がより温度の低い場で冷えて凝結し、水滴となったために白く見えるもの。たとえば、やかんで湯を沸かした際、その口から湯気が噴出しているところを見ると、口の近くだけは透明に見える。この部分は水蒸気であり、外気に触れて気体の温度が低下し凝結した水滴と水蒸気の混相が湯気である。

●湯煙
火山が多く天然に湧く温泉が随所で見られる日本では、温泉特に熱泉の水蒸気が空気中で急激に冷やされて湯気となり煙のように白く沸き立ち上っているように見える様から、古くから湯煙(ゆけむり)と呼ばれ親しまれた。
例として、南紀徳川史に収められた「十寸穂の薄(ますほのすすき)」の四巻「牟婁郡」には、紀州湯峯温泉の説明書きとして「湯口は非常に熱く、湯煙が立ち昇って近辺は霧のようになっており、雲が無いときはより顕著で、食べ物を煮たり白米を浸して暫く置くと御飯となるが、大根は煮るのが難しい」と書かれている。

●水と蒸気
一定圧力下で常温の水をゆっくり加熱すると、ある温度(大気圧 760 mmHg のもとでは 100 ℃)で蒸気に変わる。加熱に伴って水が蒸発し全体の体積が増加するが、その間温度は一定のまま変わらない。すべての水が蒸発して気体となった後、ゆっくりとさらに加熱すると、蒸気の温度は再び増加し始める。

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●水の P-v 線図
蒸気となった水を冷却すると、同じ経路を逆にたどって、蒸気は凝縮して液体の水になる。以上の変化は、水に限らず一般の物質に共通している。一部の水(液体)が蒸発を始める温度を、その圧力における飽和温度とよび、逆にその圧力を、その温度における飽和圧力(飽和蒸気圧)とよぶ。標準大気圧の水の飽和温度は 100 ℃ であり、100 ℃ の水の飽和圧力は 760 mmHg = 1013.25 hPa である。飽和温度は圧力が上昇すると共に上昇する。
飽和温度の水(液体)を飽和水、蒸気を飽和蒸気とよび、飽和温度以下の温度の水(液体)をサブクール水、飽和温度以上の温度の蒸気(気体)を過熱蒸気とよぶ。サブクール水または過熱蒸気の熱力学的状態は、二つの状態量(通常は圧力と温度)で指定することができる。

●水の T-s 線図
蒸気泡を含んだ水や水滴を含んだ蒸気は一般に湿り蒸気とよばれる。水と蒸気が熱力学的平衡(圧力と温度があい等しい)であれば、飽和水(液)と飽和蒸気の混合物である。湿り蒸気であれば圧力は飽和圧力であり、温度は飽和温度である。湿り蒸気の熱力学的状態は圧力または温度に加えて、次式の乾き度(英語版) χ を用いて指定することができる。

●水の h-s 線図
圧力が高くなると、気体の飽和蒸気の比体積(単位質量あたりの体積)は小さくなり、一方飽和水の比体積は飽和温度が高くなるため少しずつ大きくなり、ある圧力で飽和水と飽和蒸気の状態は一点に合体する。この状態は臨界点とよばれ、臨界点以上の圧力では液体と気体の区別をつけることはできなくなる(⇒超臨界流体)。水の臨界点は、圧力 220.64 bar (22.064 MPa; 217.75atm) 、温度 373.95C (647.10 K) 、比体積 0.0031700 m3/kg である。
湿り蒸気を密閉容器の中でゆっくり冷却すると、蒸気の一部が凝縮すると共に温度と圧力が低下する。湿り蒸気を維持したままある温度に達すると、湿り蒸気の一部に氷が生じ、温度も圧力も変化しなくなる。この状態を三重点とよび、水の場合は、温度 0.01C (273.16K)、圧力 0.006112 bar (0.0006112MPa; 0.006032atm) である。水の三重点は国際単位系の温度定義の基準点に用いられている。
三重点の水をさらに冷却すると、水が氷に変化(凝固)し、水がなくなると温度と圧力が再び低下し始め、蒸気が氷に変化(固体と気体間の状態変化を総じて昇華という)する。液体の水は、三重点と臨界点の間の限られた圧力範囲で存在することになる。これらの事がらは、水に限らず一般の物質に共通した性質である。

●飽和蒸気と過熱蒸気
蒸気機関では、凝結水が発生しないなどの利点があるため、 たとえば、蒸気機関車では、日本の場合、 初代9600形(9580形)が最初期であるが、 以降の中型以上の機関車はほぼ過熱式であり、 国鉄制式機関車ではB20形のような特殊な例外を除き 全て過熱式である。

●水蒸気の利用
水蒸気は古くから、蒸し料理や蒸し風呂に利用されてきた。圧力釜やオートクレーブもほぼこれを利用している。
水蒸気を利用した蒸気機関は、産業革命における動力源として重要な役割を担った。現代ではレシプロ式は衰退の一途をたどったが、汽力発電(火力発電や原子力発電)で蒸気タービンの駆動に利用されている。
そのほか、水蒸気を熱媒とした蒸気暖房や、高温を利用した清掃用具(スチームクリーナー)がある。

水を熱して沸騰させると、中から泡が出て白い水蒸気が出てきますね。みなさんも経験されていると思います。この現象を今回は物理の観点から解説しました。

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