船はどうして水の上を走れるの? 浮力と関係あるの?

船やボートなどは川や海の上を浮かんで走行していますね。不思議ですね。この原因やメカニズムを判りやすく解説しましょう。

●木の葉やスポンジは水にうかびますが、ガラスや石、くぎなどは水にしずんでしまいます。どうしてかを、まずスポンジの場合で考えてみましょう。


あるスポンジと、大きさも形もまったく同じ(体積が同じ)水のかたまりがあったとします。このふたつの重さをくらべてみると、当然スポンジは、水よりも軽いはずです。このようなとき、ものは水にうかびます。
では次に石の場合を考えてみます。その石と、大きさも形も同じ(体積が同じ)水のかたまりをくらべてみると、石は水よりも重く、このようなときは、ものは水にしずんでしまいます。
つまり、ものが水にうかぶかしずむかというのは、そのものと、同じ大きさ、同じかたちの(同じ体積の)水のかたまりとくらべて、軽いか、重いかということで決まるのです。もちろん、水よりも軽ければうきますし、重ければしずんでしまいます。
では、船の場合はどうでしょう。大きな船は、鉄でできています。鉄は、水よりも重さがありますから、もしその船が、全部鉄のかたまりでできていたならば、しずんでしまいます。しかし、鉄でできているといっても、船は外側や骨組みが鉄でできているだけで、中は部屋など空間がたくさんあります。つまり、外側だけで中はからっぽに近い状態であるといえます。だから、この船を、大きさも形もまったく同じ水のかたまりとくらべたとすると、船は、水よりも軽いのです。
それで船は水にうかび、エンジンでスクリューを回せば、スピードを上げて走ることができるというわけです。

船は、この浮力のはたらきで浮いているよ。 船は空間を多くすることで、全体の重さが、おしのけた水の重さよりも軽くなるようにつくられているんだ。 だから鉄でできた大きくて重い船でも、水に浮くことができるんだよ。 船は荷物をいっぱいに積(つ)んだときにバランスよく浮(う)くようにつくられているよ。

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●ビー玉は水に入れると沈むのに、鉄でできた大きな船がどうして海に浮いているのか
不思議に思ったことはありませんか?
それには浮力の原理が関係しています。
その原理とは、物体は、物体が押しのけた分の水の重さに等しい力を水から受けるというものです。
同じ大きさの球体を2つ用意してみます。
1つは中身がつまったもの(重さ100)で、もう1つは中身がくり抜かれているもの(重さ30)です。
これらを水の中にドボンと放り込んでみます。
すると、球体が押しのけた分の水の重さだけ浮かせる力が働きます。
球体の大きさは2つとも同じなので、押しのけた水の量(重さ)も同じ ⇒ 浮力は同じ ですね。
しかし球体の重さはそれぞれ異なります。
押しのけた分の水の重さを50だとすると、中身がつまった球体のほうは、球体の重さのほうが浮かせる力より大きいため沈む方向に進みますが、中身がくり抜かれている球体のほうは、球体の重さが浮かせる力より小さいため浮く方向に進みます。
これらの力がちょうど同じ大きさでつりあったときが、水の中で静止している状態です。
船は鉄で作られているけれど、鉄のかたまりではなく、薄い鉄板を組み合わせて形作っているため、押しのけた水の重さと船の重さをつりあわせることができている、つまり浮くことができるんですね。
浮力の原理は、紀元前3世紀ごろにアルキメデスさんが発見したので、アルキメデスの原理とも呼ばれています。

●船の『浮力と復原力』の話です。
船は浮力(Buoyancy)によって支えられて海面上に浮いているのです。浮力がなければ船は浮きません。
では、浮力とはどのような力でしょうか? 浮力とは皆さんの知っているアルキメデスの原理です。船が押しのけた海水の重量と同じ重量の浮力を船は受けているのです。
浮力を簡単にイメージするには、まず、水深10mで1気圧 (1kg/cm2) の圧力を受けていることを想像して下さい。では水深5mではどうでしょうか?・・・0.5気圧 (0.5kg/cm2) の圧力を受けます。水深5mでは水深10mの半分の圧力です。つまり深い場所での圧力は浅い場所の圧力より強いため、上方への力が発生します。これが私達が浮力と呼んでいる力の正体です。そして、上向きの浮力と下向き重力の引き算で、浮力の方が大きい船は浮き、重力の方が大きい鉄の塊は沈むのです。どうですか?これで「なぜ鉄の塊の船が海に浮いていることができるか?」という質問をされても、誰にでも判りやすく説明できるのでは・・・・・
では、他人に「船はなぜ転覆しないの?」と聞かれて判りやすく説明できますか?キーワードは復原力 (Stability) とメタセンタ (Metacenter)。皆さんも学校で習って理解しているはずなので、思い出して下さい。
船が傾いていない場合の重心 (Gravity:G) と浮心 (Buoyancy:B) は同線上にありますが、船が傾くと浮心位置がずれて下方への力「重心(G)」と上方への力「浮心(B)」の位置関係から船を起こそうとする力が発生します。これが復原力です。

次に復原力の大きさに影響するメタセンタ(M)ですが、メタセンタは平衡位置での浮力の作用線と傾いた位置での浮力の作用線の交点です。図に描いてみれば判りやすいと思いますが、このメタセンタ位置が高いほど、つまりGMが大きいほど復原力が大きくなり、転覆し難いということになります。ただし、GMが大きすぎると横揺れ周期が小さ過ぎて、ぐらぐら揺れて人にとっては快適でなくなります。
また、波長100〜150mの大きな波の周期と船の横揺れ周期が同調、いわゆるSynchronizeすると揺れが大きくなります。しかし、大型客船では横揺れ周期が20秒近くあり、時化ていても大きな波と同調せず、あまり揺れません。しかも全長が300mもある大きな客船では波長100〜150mの波のエネルギーが分散されて横揺れには強いのです。

浮力? ん~、簡単そうでいて少し難しいかもしれませんね。

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