魚は水の中でどうやって呼吸してるの? 陸では呼吸できないの? 鰓で呼吸?

魚にはえらがあるために、水の中でも平気なのです。人間は空気をすって酸素を体に取り入れていますが、魚は口をパクパクさせて水をすうことによって、水にとけている酸素を体の中にとりいれているのです。人間は肺の中に空気を入れて、そこから酸素を取り入れますが、魚はえらで水をこして酸素を取り入れるのです。
えらは、普通えらぶたの下にかくれています。えらぶたを持ち上げると赤いくしの歯のようなものが見えますが、これが魚のえらです。
えらを顕微鏡でくわしく見てみると、このくしの歯の上にはもっと細かなくしの歯がたくさん生えていて、くしの面積を全部たすと体の表面積の何倍にもなるくらいの広さになります。水がここを通ったときに、なるべくたくさん酸素を取り入れることができるしくみになっているのです。このような便利なえらがあるために、空気中よりもずっと酸素の少ない水中でも、魚は十分生きていけるのです。

●魚のえらの働きとは
泳ぎながら、頭の横で、えらを開いたり閉じたりしているのが、魚です。魚のえらには、どのような働きがあるのでしょうか。アジのえらは、かたい「えらぶた」の中にあります。えらぶたを外してみると、中いっぱいにえらがあります。真っ赤な色をした部分は、「鰓葉(さいよう)」と呼ばれています。

●酸素を取り入れやすくするしくみ
鰓葉は、細長いくしの歯のようなものが集まってできていて、その一本一本を「鰓弁(さいべん)」といいます。鰓弁には、左右に伸びる細かいひだがびっしり並んでいます。ひだの幅は、わずか0.03mmほどです。鰓弁の中を流れる赤い粒は血液です。魚は、海水に溶けている酸素を、この鰓弁から血液中に取り入れます。泳ぎながら口から取り込んだ海水は、えらの鰓弁のあいだを通って出て行きます。鰓弁の細かいひだは、海水に触れる面積を増やし、酸素を取り入れやすくするしくみなのです。

●もう一つの大切な働き
魚のえらには、もう一つの大切な働きがあります。それは食事に関係しています。アジの口を開くと中に見える、「鰓耙(さいは)」と呼ばれる部分。えらの前のほうにあるこの鰓耙をよく見ると、これもくしのような形になっています。ここを海水が通り抜けていきます。鰓耙には、まるでバラの茎のように、とげがたくさん生えています。これが魚の食事に関係しているのです。

●プランクトンをこし取るしかけ
海の中には、動物プランクトン、植物プランクトンなど、小さな生物が無数に漂っています。アジは、そのようなプランクトンを食べています。呼吸のために口から入った海水は、プランクトンと一緒にえらに向かいます。そして海水はえらを通り抜けて出ていきます。しかしプランクトンは、この鰓耙にこし取られ、口の中に残ります。たくさんのとげは、プランクトンが通り抜けてしまわないようにするためのしかけなのです。

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●えらによる呼吸と食事
実際にアジがどのようなものを食べているのか、胃の中身を見てみましょう。ケラチウムという植物プランクトンの殻が見えます。小さなエビやカニの脚のようなものも見えます。アジは、いろいろな植物プランクトンや動物プランクトンを食べていることがわかります。魚のえら、それは呼吸と食事という、魚が水の中で生きていくために欠かせない、とても重要な役割を果たしているのです。

●えら呼吸の仕組み
呼吸というのは酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するという行為です。
エラは毛細血管が張り巡らされており、そこに水を通過させることで血管の二酸化炭素を水中に排出し、水中にある酸素の取り込みを行っています
つまりエラに水を通過させる必要があるため、口から水を取り込み、鰓蓋(えらぶた:目の後側にある切り込み)から水を排出して呼吸を行っています。

水の流れ:水中 → 口 → 鰓(えら) → 鰓蓋 → 水中
魚をよーく見ると鰓蓋(えらぶた)が動いているのが分かると思いますが、それにより呼吸を行っているのです。

●泳ぐことでえらに水を通す魚も
ただ魚の中には鰓蓋(えらぶた)をあまり動かさずに、呼吸を行うのもいます。
例えばイワシやマグロなどの回遊魚がそれにあたり、彼らは泳ぐことで口から鰓・鰓蓋へと水を通過させているのです。
つまり泳ぐことで呼吸を行っているとも言えます。
鰓蓋を動かして呼吸する力は失っているので泳ぐのを止めてしまうと呼吸できずに死んでしまうのです。

空気呼吸できない理由
魚が空気呼吸できないのはエラが水中にしか適応していないと言ってしまえばそうなのですが、特に二酸化炭素の排出ができないという深刻な欠点があります。
二酸化炭素というのはかなり水に溶けやすい性質があり、えらによる二酸化炭素の排出というのは水中に二酸化炭素を溶け込ませることで排出を行っています。
そのため空気中だと二酸化炭素の排出ができず、呼吸が成り立たないのです。

●空気呼吸ができる魚たち
実は魚のクセに空気呼吸ができる珍しいヤツもいるんです。
彼らはエラ以外にも呼吸器官をもっていて、それにより空気呼吸を行うことができるのです。

ラビリンス器官を持つ魚たち
ラビリンス器官を持つベタ
魚の中には空気呼吸が可能なラビリンス器官と呼ばれる呼吸器を持つものがいます。
ラビリンス器官により、空気中からダイレクトに酸素を取り込めるため酸素があまり無い水たまりなどの悪環境でも生存することができるのです。
熱帯魚で定番の「ベタ」と呼ばれる魚はこのラビリンス器官を持ち、コップなどの低酸素環境でも飼育することが可能なのです。
他にもグラミーやキノボリウオなどアナバスと呼ばれるグループがラビリンス器官を持っています。
ただラビリンス器官を持つ魚も二酸化炭素の排出は水中に溶かして排出を行うため完全に陸上のみで生活することはできません。

◇ハイギョ(肺魚)
肺魚の仲間であるプロトプテルス・エチオピクス
非常に珍しいのですが、魚には我々と同じ「肺」を持つ魚もいます。
ハイギョ(肺魚)と呼ばれる魚たちは名前の通り肺を持ち、肺呼吸を行う魚です。
肺呼吸により、陸上で長い間生存することができるようになっているのです。

このようにして魚は水の中で呼吸ができますが、陸の上では呼吸できません。逆に人間は陸の上では呼吸できますが、水中では呼吸できません。魚と人間は呼吸が逆になっていますが、不思議ですね。

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