なぜ動物は冬眠するの?じっと動かずに越冬する現象ですよ?

冬眠をする動物がいることはよくご存じですね。今回はこのなぜを判るように解説します。

冬眠とは、動物が活動力を極度に低くした状態で越冬する現象をいい,温帯およびそれより寒い地方でみられます。変温動物であるハエ,カ,チョウ,オサムシなどの昆虫類,カエル,イモリなどの両生類,カメ,ヘビ,トカゲなどの爬虫類などは,地中,水底,屋根裏,木のほら穴,枯れ葉下など温度のあまり下がらないところに潜み、冬眠します。定温動物でも哺乳類のヤマネ,コウモリなどは木や岩のほら穴で冬眠し,環境温度の低下とともに体温は下降しますが,一定体温以下には下がらないよう体温調節を行っています。またクマ類は秋季皮下脂肪を蓄え,適当なほら穴に入り越冬しますが,非活動的で体温はあまり低下せず,いつでも活動できる状態で眠り,冬眠とはいえません。雌は穴ごもり中に出産,育児を行います。鳥類ではただ1種だけプアウ(ヨタカ科)の冬眠が知られています。

●冬眠する哺乳類の種類
哺乳類の18目約4,070種のうち7目183種が冬眠しますことが知られています。このことから冬眠は一部の哺乳類の特殊な適応ではなく食料の少ない冬をやり過ごすための普遍的なシステムと捉えるべきです。冬眠する動物のサイズは、体重が10gに満たない小型のコウモリから、体重数百kgになるホッキョクグマまで幅広いです。

●小型哺乳類の冬眠
シベリアシマリスの冬眠の調査では、冬眠中のエネルギー消費量は活動期の13%まで低下し、心拍数は活動期が毎分400回に対し10回以下、呼吸は活動期が毎分200回であったものが無呼吸状態の持続もあって毎分1回から5回、体温は37℃が5℃に低下していました。冬眠中の低体温は変温ではなく、一定の値に保たれます。すなわち体内のサーモスタット設定温度を切り替えた状態と言えます。キンイロジリスについての研究では、通常39℃の体温が冬眠中は2℃を保つように機能していました。また冬眠中であっても感覚は働いており、冬眠中のシマリスの体に強い刺激を与えたり、大きな音を出すと冬眠を中断して約30分で覚醒します。

●持続的冬眠と中途覚醒
小型の哺乳類では、冬季中に「持続的冬眠」と「中途覚醒」が交互に繰り返されます。持続的冬眠とは体温を徐々に下げてゆく移行期に続く低体温が持続する安定期で、期間は種によって異なりますが、数日から1ヶ月続きます。中途覚醒は低体温から通常の体温に戻る移行期のあとに、通常体温が持続する安定期が来ます。中途覚醒時に、秋に巣の中に貯蔵していた食物を摂取する「貯食型」と、冬眠前に過食して体内に貯めた脂肪を利用する「脂肪蓄積型」があります。中途覚醒の通常体温持続時間は普通24時間以内で、この間に貯食型の種は摂食・排糞・排尿を行いますが、非摂食の種は排尿だけ行います。中途覚醒時の急激な体温上昇には、通常の筋肉の不随意的収縮である「ふるえ」の場合と、冬眠動物に発達している褐色脂肪細胞における「非ふるえ産熱」によってもたらされる場合があります。
また、リスがときどき冬眠から目覚めるのは、睡眠不足を補うためであるとする説もあります。この説によると冬眠と睡眠は全く別のものであり、リスは冬眠し続けると睡眠不足になってしまうので、2週間おきに冬眠から覚めて睡眠を補います。

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冬眠の攪乱
小型ほ乳類ではエネルギー消費を抑えるために冬眠すると考えられる例があり、この場合、冬眠を妨げることは、それだけで死を招く場合があります。北アメリカでは白い鼻病によってコウモリが大量死する現象が知られています。これは真菌の寄生によるものですが、菌がコウモリの鼻に発生すること自体は単にかゆみをもたらすだけで死に結びつくような被害は与えません。だが、それによって餌のとれない時期に冬眠を妨げられることで、コウモリはたやすく衰弱死します。

クマの冬眠
クマの冬眠は、期間中の体温の降下度が4~6℃と小さいこと、外部からの刺激によって覚醒し易いことから、しばしば「冬ごもり」や「冬季の睡眠」と呼ばれてきました。しかし冬眠中の生理学的状態が活動期とは全く異なる状態にあり、他の冬眠動物と同じく「冬眠」と呼べる状態にあることが分かってきました。以下クマの冬眠の特徴を列記します。
• 冬眠期間中に中途覚醒しない。
• 冬眠期間中の体温は31~35℃と、通常時(37~39℃)と比べて降下度が小さい。
• 冬眠中に一切摂食・排糞・排尿を行わない。
• 妊娠したメスは冬眠期間中に分娩し、生まれた子に対し授乳を行う。
冬眠中は中途覚醒せず摂食しないため、冬眠期間中は秋に過食して体内に貯めた脂肪がエネルギー源です。日本のツキノワグマは秋にブナやミズナラなどのどんぐり類を大量に摂取して冬眠に備えるが、どんぐり類が不作の年にはえさを求めて人里に出てくることが多くなります。また冬眠中一切排尿を行わないことから、冬眠中は活動期と異なる独特のたんぱく質再生機構をもっていると考えられます。人間は長期間動かずにいると骨が退縮しますが、クマは冬眠期間中は全く活動しないにもかかわらず骨の体積は変化しません。なおクマの体温降下度が小さいのは他の冬眠動物に比べて体の容積が大きいことと関係があります。

鳥類の冬眠
定常的には、アメリカに生息するプアーウのヨタカが冬眠を行ない、野外や飼育下の調査では、アメリカヨタカ・ヨーロッパヨタカ・ノドジロミミヨタカも冬眠する能力を持っていることがわかっています。 こうもりの冬眠は有名ですね。

動物の冬眠といっても、いろいろあるのですね。みなさん、勉強になりましたか。

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