黒板を引っかいた音が嫌なのはなぜか?

黒板を爪で引っかくと「キ~」とするあの音・・・。あの音を思い出すとゾワ~っとする人も多いですよね。
私も思い出すと頭がゾワ~っとします。昼休みにわざとあの音を出している人に怒りを覚えたこともあります。
実は黒板を引っかく音は約90%の人が不快に感じるといわれています!
しかも日本人だけではなく、世界の人たちが不快に感じているようです。
なぜ、人間はあの音がそんなに嫌なのかさまざまな説があるようです・・・!
周波数によるもの?

人間は通常、下は20Hz程度から上は個人差がありますが15000Hzまたは20000Hz程度までの鼓膜振動を音として感じることができます。そしてこの周波数帯域を可聴域といいます。その中でも人間が不快に感じる音は可聴域の中間領域で、最も強い不快感を呼び起こすのは2000~4000Hzの周波数です。黒板の引っかき音もこの不快に感じる周波数なのです。
この周波数帯に敏感に反応するのは、人間の外耳道の形と関連があるのだろうと言われています。この周波数の音は、特に外耳道の中で増幅されやすいからです。つまり不快な音の原因になる周波数帯は人の耳の構造的に増幅されやすい周波数帯ということです。
人が会話をするときの平均的周波数は150~7000Hz程度なので不快な範囲で含んでおり、この不快な周波数帯を取り除くと聞きやすくなったり、不快感の軽減になるようです。
本能によるもの?

進化の歴史の古い時期から、人間に刷り込まれた反応だという説もあります。
人間の祖先といわれているサルの仲間に「マカクザル」というニホンザルなども含まれる霊長目オナガザル科のサルがいます。サルは仲間同士の連絡に鳴き声を使っていて、その中の「危険を知らせる音」と周波数が一致するといわれています。人間に進化してもサルの頃の名残で本能的に警戒音に近い音を不快と感じてしまうのです。
思い込みのせいなのか?

ある2つのグループに同じ「黒板を引っかく音」を聞かせて、反応に違いはあるかの確認をする実験をしました。1つのグループには「黒板を引っかく音」と説明し、もう1つのグループには「最新の楽曲」と嘘の説明をしてから音を聞いてもらいました。実験の結果、嘘の情報を聞いたグループのほうが不快感は少ないという結果が出たそうです。これにより、黒板の引っかき音は思い込みも影響していることがわかりました。しかし、心拍数や血圧、発汗量、皮膚の電気抵抗などはどちらのグループも同じように不快感を示したようです。
まとめ
・周波数によるもの?
・本能によるもの?
・思い込みのせいなのか?
このように黒板を引っかく音が不快に感じる原因はいろいろな説があるようです。
黒板の引っかく音以外にも、発泡スチロールが擦れる音や金属同士が擦れる音も不快音と言われているのでこれらの説が当てはまるかもしれませんね。
そういった音をなるべく聞かないように過ごしていきたいですね。
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